オタ福の語り部屋

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【細菌性肺炎】犬猫で起こりやすい『4つの肺炎』

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【はじめに】

今回は犬や猫で発症が多い4つの肺炎の11つ『細菌性肺炎』について解説していきたいと思います。肺炎は病原体などの原因別に大きく4つに分けられます。今回、解説する細菌性肺炎は新生仔や高齢動物、免疫抑制療法中の犬など、体力が弱っている動物に日和見的に感染することが多いです。

犬猫で多い4つの肺炎
【細菌性肺炎】
【ウイルス性肺炎】
【アレルギー性肺炎(好酸球性気管支肺症)】 
【誤嚥性肺炎】

今回は細菌性肺炎についてです。

【目次】

 

【細菌性肺炎について】

『細菌性肺炎の原因菌とは』

細菌性肺炎とは文字の意味どおり、細菌感染によって起こる肺炎のことです。では、どのような細菌に感染するのでしょうか?

細菌性肺炎の主な原因菌
・Esherichia coli
・Pasteurella属菌
Bordetella brochiseptica
Streptococcus属菌
Mycoplasma属菌(←猫で多い)

が主な原因菌です。

原因菌のほとんどは腸内細菌
原因菌として最も多いのは大腸菌として有名なE.coliです。
B.brochisepticaのような原因疾患の無い一次性の細菌感染が成立することは成犬・成猫では稀です。特に猫では細菌性肺炎自体の発生が珍しいです。
細菌性肺炎が見られた際は、免疫を崩してしまうような原因疾患が隠れていないかを考える必要があるようです。

Bordetella brochisepticaの特徴
呼吸器上皮細胞線毛に親和性を有し、線毛の間に入り込むように定着し、病原性を示します。呼吸器のあらゆる部位から分離される細菌です。

『肺で細菌感染が成り立つ機序』

通常時の反応は?
正常時、動物の気管には細菌を吸い込むと気管の表面にある線毛が細菌を掻き出します。それが『咳』です。咳反射によって気道内に侵入した細菌は常に体外へと排出されています。

体調が崩れると…
正常時には先ほどの咳反射によって細菌が排出されていますが、何らかの原因(ストレスや免疫抑制状態)で細菌に対してうまく体が反応できなくなった際、気管や肺で細菌感染が成立してしまいます。これを『一次性の細菌感染』と言います。

一次細菌感染が成り立つ機序(図解)

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そのほかにも原因がある
一次性の細菌感染は比較的シンプルで、『体調を崩す→免疫力低下→細菌感染』というシンプルなフローが見えます。しかし、『二次性の細菌感染』と呼ばれるものは少々複雑な発生機序を持っています。
二次性の細菌感染では細菌感染を起こす前に何らかの基礎疾患を抱えているケースがああります。
基礎疾患としては
・誤嚥
・異物
・ウイルス感染
・腫瘍
など、基礎疾患があることがきっかけとなって細菌が気道内に停滞してしまい、細菌性肺炎を発症します。

【細菌性肺炎で見られる症状】

細菌性肺炎で見られる症状や異常はごくごく軽度なものであることが多く、身体検査でもはっきりと判断することは難しいです。

具体的な症状
・発咳
・鼻水
・運動性の低下
・呼吸困難
などがあります。

肺炎と聞くと「発熱」をイメージされる方が多いかと思いますが、実は発熱は必ず見られる症状ではないので、平熱だからといって肺炎を排除することはできません。

ほかに見られる症状としては以下のようなものがあります。
・体調の悪化
・呼吸促迫←呼吸が速くなる
・気管支肺胞性肺雑音
・吸気性の捻髪音←ジリジリいう音
・チアノーゼ←舌が青紫色になる
などが認められます。
細菌性肺炎の症状(図解)

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【診断方法】

『ぜひやっておきたい検査一覧』

細菌性肺炎を疑う症例の場合にやっておきたい最低限のスクリーニング検査として
・胸部レントゲン検査
・血液検査(CBC)
・血液ガス測定
・動脈血酸素飽和度(SpO2
これらを検査しておきたいです。

さらに理想を言えば、
・血液生化学検査
・尿検査
・糞便検査
などを行なっておく、細菌性肺炎を起こしている原因疾患の発見や全身性の感染症が起きていないかなどの判別に役立ちます。

 

『血液検査所見』

血液検査で認められる症状は
・好中球増加症(←左方移動が見られることも)
・リンパ球減少症
・軽度の貧血
などがよく見られる検査所見です。

肺の機能がどの程度障害を受けているかにもよりますが、低酸素血症が見られることもあります。舌色が青紫色になっていないかなどは要チェックです。

『胸部レントゲン検査』

細菌性肺炎では肺野腹側の『肺胞パターン』よく見られます。

血行性の細菌性肺炎では
血行性の細菌感染による肺炎では後背側で最も影響が出ます。
血行性と言うくらいなので、細菌が血流に乗って運ばれてくるため、重度の肺炎患者では肺全体に病変が見て取れます。

軽度な肺炎/早期の肺炎では
重度の肺炎患者ではない、もしくは早期の肺炎では、間質パターンしか見られないという場合が多いかもしれません。

肺炎に随伴して見られる症状
状態や進行度にもよりますが、膿胸や胸水貯留、気胸などが見られます。

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『気管支肺胞洗浄(BAL)』

BALとは
BALとは気管支内に生理食塩水を流し込み、回収することで気管支や肺胞内にある細胞を採取してくる方法です。

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検査の目的
この検査の目的としては
1つ目は採取してきたサンプルを顕微鏡で観察して、どのような細胞が増えているのかをみること。
そしてもう1つは、細菌培養や薬物感受性試験によって細菌の同定と今後投与すべき抗生物質の決定を行うこと。

この2つが主な目的となります。
どのような細菌に感染し、その細菌がどの抗生物質に感受性を示すかを調べることで、病気の長期化だけでなく、耐性菌の発生も防ぐことができます。

手探りな抗菌薬投与の落とし穴
「経験的にこの抗生物質を使用しておけば良いだろう」と感受性試験を行わないまま抗生物質を投与することはあまり推奨されていません。

ペンシルバニア大学の実験で、細菌性肺炎を示した111匹の犬で細菌培養と感受性試験を行なった実験があります。この実験では111匹中29匹(26%)の犬で、よく獣医の経験的に使用される抗菌薬に対し、少なくとも1種類には抵抗性を示していました。
この実験を見ても言えるように、感受性試験を行わない経験的な抗菌薬投与は約26%の犬で治療を難航させる可能性があります。 

Overall, 26% (29/111) of the dogs had at least 1 bacterial isolate that was resistant to empirically selected antimicrobials. 引用文献:In vitro bacterial isolate susceptibility to empirically selected antimicrobials in 111 dogs with bacterial pneumonia.

 

重度の肺炎を疑う場合の対応
細菌性肺炎や誤嚥性肺炎を疑う症例で重度な病態を示している時、気管支洗浄液のルーチン検査では偽陰性を示す場合があります。

というのも、通常のルーチン検査では好気性培養を行います。しかし、マイコプラズマ属菌などの原発性肺炎の病原体では好気性培養ではうまく増殖できない可能性があるからです。マイコプラズマ属菌の診断には嫌気性培養やPCR検査を行う必要があります。

ジョージア大学の研究で、マイコプラズマ肺炎の犬猫から採取したサンプルの細菌培養とPCR検査を行なった研究があります。
この研究結果からマイコプラズマ属菌のPCR検査による検出精度は感度が81.8%、特異度が78.9%ということが分かりました。この結果はまずまずといったところですが、細菌培養による細菌の同定に比べると診断精度が高いという結論を出しています。

Sensitivity and specificity of PCR were 81.8% and 78.9%, respectively, using MC as the gold standard.
(中略)
PCR compared favorably to culture for the identification of Mycoplasma spp. in respiratory tract samples obtained from dogs and cats with respiratory disease. 引用文献:Comparison of Culture and Polymerase Chain Reaction for the Detection of Mycoplasma Species in Canine and Feline Respiratory Tract Samples

 

『原因疾患の精査も必要』

細菌性肺炎の中には原因疾患が隠れていて、続発性に細菌性肺炎が見られているという状況も多々あります。肺炎が起きている原因はどこにあるのかを血液検査やレントゲン検査、そのほかの必要に応じて行われた検査の結果から総合的に判断されることが大切です。

【治療法】

『抗生物質の投与』

細菌性肺炎の治療では抗生物質の投与が中心になります。

初期治療としては気道洗浄液の検索によって得られた細菌の形と種類から、広範囲スペクトルの抗生物質を使用します。この時、治療開始と同時に細菌培養と薬物感受性試験を行います。その検査結果に基づいて、後から効果的な抗生物質に変更します。

「ISCAIDが勧める初期治療のガイドライン」

ISCAIDとは
ISCAIDとはInternational Society of Companion Animal Infectious Disease の頭文字をとったもので、伴侶動物の感染症を研究し、抗生物質の使用方法などのガイドラインを作っている国際団体です。
詳しくはこちらへ→ ISCAIDとは

このISCAIDが作成している細菌性肺炎に対する初期治療の方針を紹介していきたいと思います。

重度の肺炎で使用すべき抗生物質
ISCAIDが推奨する初期治療は『β-ラクタム系(アンピシリンなど)orクリンダマイシン』+『フルオロキノロン系( エンフロキサシンなど)orアミノグリコシド系(ゲンタマイシンなど)』

中等度の肺炎で使用すべき抗生物質
単剤療法で行くなら、アモキシシリン』が推奨されています。
併用療法で行くなら、『β-ラクタム系+フルオロキノロン系』もしくは『クリンダマイシン+フルオロキノロン系』が推奨されています。

軽度の肺炎で使用すべき抗生物質
軽度の肺炎では単剤療法で『アモキシシリン』『フルオロキノロン系』の抗生物質を使用します。

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「血液-空気関門の存在」

血液-空気関門とは
血液-空気関門とは酸素や二酸化炭素などのガスを交換する肺胞に存在しているもので、ガス交換を行なっています。Ⅰ型肺胞上皮、基底膜、毛細血管内皮の3層で構成されています。

血液-空気関門と抗生物質
既存の多くの抗生物質は血液-空気関門を通過することができません。
つまり、血液に乗って肺胞付近にまで流れてきた抗生物質は肺胞上皮にまで届かないので、気道表層で起こっている感染にはあまり有効ではありません。

ではなぜ、細菌性肺炎で抗生物質を使用するのでしょうか?
細菌性肺炎における抗生物質の使用目的というのは、気道表層の感染へのアプローチというよりかは肺間質の感染へのアプローチという意味合いが強いです。

「ネブライザーを用いた抗生剤投与」

ネブライザーを用いて抗生物質入りのエアロゾルを吸引する方法をご存知ですか?
鼻炎で耳鼻科に行ったら、鼻から煙吸って治療するアレです。←合ってるのか?

ネブライザーを用いた抗生物質の投与は獣医療でもよく行われています。
しかし、この治療法、実は有益な効果が実証されていないんです。
抗生物質の投与を行なっている上にアジュバント的(補助的)な役割として使用されるべきなのです。決して、抗生物質の投与に代替する様な治療ではないということ知っておく必要があります。

ここで言いたいことをバチっと書いてくれている引用文献は見つけられなかったのですが、近い内容を書いてくれてる論文があったので、参考までにどうぞ。

The very limited published data preclude any strong conclusions; however, the available data seem to suggest that aerosolized antimicrobial monotherapy for pneumonia should not be a priori excluded when systemic access is unavailable, denied by the patient or when concerns exist regarding bioavailability in the lungs or systemic toxicity. 引用文献:Administration of antibiotics via the respiratory tract as monotherapy for pneumonia.

 

「抗生物質投薬後の流れ」

治療を行なって10~14日後に状態の確認を行います。回復状況に合わせ、抗生物質を増やしたり、減らしたりと今後の治療法を変えていきます。

 

『低酸素へのアプローチ』

重度の細菌性肺炎を発症している犬では低酸素血症になっていることがしばしば報告されています。

測定方法
理想的には動脈血から採取した酸素分圧(PaO2)の測定を行うべきですが、実用性を重視すると経皮的なSpO2の測定が行われます。もちろん正確さは若干劣ります。

低酸素血症になっていると考えるべき数値は
・PaO2:<80mmHg
・SpO2:<94%

対処方法
低酸素血症が疑われるときに行うべき対処法としては酸素を嗅がせてあげたり、酸素室へ入れてあげるなどが現実的かつ一番確実な対処法になります。

理想としては荒れた気道を保護するためにも、湿度を含んだ酸素を与えるべきと言われています。病院にある酸素室では加湿機能もあるので、酸素室に入れてあげるのが良いのではないでしょうか。

 

どうしても危ない場合
重度の肺炎による低酸素血症で酸素室に入れても状態が回復せず、このままだと危ないという場合は麻酔器を用いた人工呼吸(mechanical ventilation)が行われます。しかし、こういった機械を使った人工呼吸で状態を立て直す症例は少ないようです。
どうやら、ここまで状態が悪化するということは抗生物質に抵抗性の耐性菌に感染していることが関係しているようです。耐性菌は本当に恐ろしいので、薬剤感受性試験を行わない無作為な抗生物質の投与がいかに危険かを物語っています。

『輸液療法』

重度症例では脱水が起きている
重度の細菌性肺炎を示す症例では脱水状態になっていることがあります。その原因には元気が無く、食欲不振が続いていたり、発熱や呼吸が速いことが考えられます。 

粘液線毛クリアランスとは
気道粘膜にある線毛上皮では細菌やウイルス、ゴミを体外へ排泄する防御機能があります。これを粘液線毛クリアランス(エスカレータとも言う)と呼びます。 

この気道粘膜上皮は中咽頭と呼ばれる部分に多く存在し、咳やくしゃみを行うことで粘液線毛クリアランスを行なっています。

 

クリアランスに必須の気道粘膜上皮とは
気道粘膜上皮の構造としてはソル層とゲル層の二層に分かれています。ソル層は水分が多く含まれ、この層で線毛が動き、異物を掻き出します。そして、ゲル層は水分は乏しく、主に異物のキャッチを行なっています。つまり、ゲル層で異物をキャッチし、ソル層で掻き出しているということです。

脱水に注意するべき理由
脱水によって全身の循環血液量が減少すると、気道粘膜上皮の水分も無くなってしまいます。気道粘膜上皮のソル層で水分が失われると、線毛が上手に動くことができず、粘膜気道クリアランスを十分に発揮できなくなります。この機能を維持するためにも、脱水の治療は行われるべきなのです。

輸液には晶質液を使用する
水和を維持するには晶質液が利用されます。ただし、過度な輸液は医原性の肺水腫を引き起こすことがあるので、状態を見ながら行う必要があります。

ネブライザーも有効?
無菌生理食塩水のネブライザーも気道粘膜を潤すには有効ではないかと考えられ、一部の病院では行われています。ネブライザーが有効であるというエビデンスを記した論文はあまり無く、臨床医の経験的な感覚で行われているようです。ただし、エビデンスのある論文がないからといって、それが「全く無意味だ」「逆に害だ」という論文もないため、少しでも動物を楽にしてあげたいという想いでやってあげるのも良いのではないでしょうか。
ネブライザーでの注意点は噴霧器を清潔に保つことです。噴霧器の不衛生管理による虹性の細菌感染なんてあったら最悪ですもんね。

『細菌性肺炎における鎮咳薬は禁忌』

鎮咳薬は禁忌
細菌性肺炎を有する動物では咳がよく見られます。咳が出るからといって、咳止め(鎮咳薬)を投与することは細菌の排出にストップをかけてしまうので、推奨されていません。むしろ、咳を促すために胸部の理学療法として『Coupage』という方法があるようです。

Coupageとは
Coupageの日本語訳が見つからなかったので、このまま原語のまま進めます。元はフランス語らしく、このCoupageは動物の胸部を叩き、咳を促す方法のことを言うそうです。一般的にはネブライザーをしながら、やってあげると良いと言われています。
臨床的に効果が証明されているわけではないですが、やっている病院もあるようです。
Youtubeで載っていたので貼っておきます。
※下に例として動画を挙げていますが、安易に真似をするのは避けましょう。きちんと獣医師に指導を受けてから行ってください。

ネブライザーとCoupageを行う様子

 

【補助的な治療法】

細菌性肺炎を治療するには抗菌薬を中心に状態に合わせて輸液療法やネブライザーを行う必要があります。上記の治療を基盤とした上で、補助的な役割として行われる治療法が『気管支拡張薬』、『気道粘液溶解薬(去痰薬)』、『栄養管理』があります。

『気管支拡張薬』

気管支拡張薬とは気管を拡げる薬で、気管閉塞や喘息の治療でよく使われる薬です。細菌性肺炎での使用は一般的ではないかもしれません。

使用が検討されるタイミング
気管支拡張薬は気道が狭くなってしまって酸素を供給しているにも関わらず、うまく酸素化できない症例などで検討されます。
気管狭窄が起こりやすい状況は猫で特に多いと言われています。

使用される気管支拡張薬
・サルブタモール:β2アドレナリン受容体作動薬
・テオフィリン:キサンチン系気管支拡張薬

『気道粘液溶解薬(去痰薬)』

細菌性肺炎では気道内に大量かつ粘っこい粘液(←痰のこと) が分泌されます。この粘液は気道粘膜上皮にまとわりつき、粘膜気道クリアランスの妨げとなってしまいます。

使用する薬
去痰薬として利用されるのが『N-アセチルステイン(通称:NAC)』です。NACは粘液のジスルフィド結合を解除することで粘液(痰)の粘度を下げます。

ネブライザーによるNAC投与は禁忌
NACには内服薬と吸引薬があります。人医療では去痰薬としてネブライザーなどを用いて吸引することがあるらしいのですが、猫でNACのネブライザーを行なった研究では実験を行なった全ての猫で気道狭窄と副作用が報告されており、動物でのネブライザーによるNAC投与は禁忌と言われています。 

Results demonstrated significantly increased airway resistance (P=0.0007) compared with aerosolized saline control; Pplats were not significantly different (P=0.059). All cats exhibited at least one adverse effect: excessive airway secretions (n=3), spontaneous cough (n=2), unilateral strabismus (n=1) and post-anesthetic death (n=1). 引用文献:Endotracheal nebulization of N-acetylcysteine increases airway resistance in cats with experimental asthma.

 

具体的な治療法
NACを用いた去痰は内服薬で行われます。
参考書籍の筆者は肺炎によって重度に粘液が気道内を覆っている時は125mg~600mgの用量で8~12時間ごとに経口投与を行なっているようです。この用量での投与が「seemingly good effect(良い感じ!)」と記しています。

 

『最後の手段、肺葉切除』

肺炎で肺を切除することはほとんどありません。そのことを念頭に置いてのお話です。最後の手段として肺葉切除が検討される症例
・肺炎部分が限局している
・抗菌薬が全くきかない
・肺炎の原因疾患に異物、肺腫瘍、膿瘍がある
などです。

【最後に】

今回は『細菌性肺炎』について解説しました。細菌性肺炎は体力が落ちている時に日和見で感染する場合や流行性の細菌に感染することで起こります。主な治療法としては抗菌薬投与を中心に酸素化と水和を行うことで状態の回復を試みます。ネブライザーを使用して補助的な治療法も行われます。

【本記事の参考書籍】

Stephen J. Ettinger ; Edward C. Feldman ; Etienne Cote : Textbook of veterinary internal medicine. 8th ed., ELSEVIER, 2017, 1113-1115p

日本獣医内科学アカデミー編 : 獣医内科学 第2版, 文英堂出版, 2014, 141-143p

 

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『犬猫で多い4種類の肺炎』

細菌性肺炎、ウイルス性肺炎、アレルギー性肺炎(好酸球性気管支肺症)、誤嚥性肺炎については↓

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『肺がん』

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