オタ福の語り部屋

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【肥満・体重増加】~"すきま時間"の獣医学~

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【はじめに】

今回は『肥満・体重増加』についてです。ご飯をついついあげ過ぎてしまい、わがままボディへと成長した愛犬・愛猫。今回は『肥満って何?』ということをテーマに肥満について解説していきます。

 

【目次】

 

【肥満について】

『概要』

肥満の定義
肥満の定義は『体脂肪が過剰な状態』と定義されていて、犬や猫でよく見られる栄養学的問題の一つされます。

どの程度で肥満と言うか
肥満の基準は明確に設定されていませんが、おおよそ理想体重の15~30%を超えると肥満と言えます。体脂肪率で言うと、20~30%を超えたあたりからです。

BCSを測定し、現状を把握する
現在、うちの子が肥満なのかそうでないのかを知るためには『ボディコンディションシステム(通称:BCS)』を測定することが勧められています。

犬のBCS早見表

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出典:プレミアムペットフードのROYAL CANIN<ロイヤルカナン>

猫のBCS早見表

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出典:プレミアムペットフードのROYAL CANIN<ロイヤルカナン>

 

『肥満になる原因』

原因によって2つに大別
肥満の原因はカロリー摂取量が消費量を上回ることで発生する肥満、要は『食べ過ぎによる肥満』と何らかの基礎疾患があり『基礎疾患が原因で起こる肥満』の二つに大別されます。これら二つはそれぞれ『単純性肥満』と『症候性肥満』と呼ばれています。

単純性肥満とは

上述した通り、『食べ過ぎによる肥満』のことを言います。

主な原因として
・運動不足
・基礎代謝の減少(不妊手術や加齢)
・高カロリー食
・自由摂食
などが挙げられます。

症候性肥満とは
これも上述の通り、『基礎疾患が原因で起こる肥満』のことを言います。

肥満を起こす基礎疾患
・副腎皮質機能亢進症
・インスリノーマ
・甲状腺機能低下症
・先端肥大症
・下垂体機能低下症
などの内分泌疾患が挙げられます。

そのほかにも
・グルココルチコイド
・黄体ホルモン
・フェノバルビタール
・プリミドン
など薬によって太りやすくなる場合もあります。

『診断方法は?』

BSCで測る
BSC(ボディコンディションスコア)については先ほどお話ししましたので、上を参考にしてみて下さい。

血液検査
高脂血症高血糖がみられることが多いです。

基礎疾患を検索する検査
症候性肥満が疑われる場合は基礎疾患をである内分泌疾患の有無を判別しなければいけません。

『治療法』

治療は人間がやるダイエットと同じく『食事制限』『運動』です。

カロリー制限
肥満の動物の治療としてよく行われるのが、カロリー制限です。カロリー制限のポイントとしては徐々に行うことが大切です。

急激なカロリー制限は肝リピドーシス(脂肪肝)を起こしてしまうため、十分注意が必要です。こういったこともあり、カロリー制限は徐々に行われていきます。徐々に行われるため、効果が薄いので、根気強くやっていかなければいけません。

まずは一日のカロリー計算をする
太ってきたなと思う場合は1日に与えているご飯のカロリーを計算してみましょう。特に、ご家族のみんながバラバラにご飯を与えていて、自分はそんなにあげていないのに、総量としてはカロリーオーバーだったということもありえます。

1日あたりに必要なカロリー計算(図解)

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【最後に】

今回は『肥満・体重増加』について紹介しました。当たり前のことですが、食事量を調節することで肥満のリスクは減らすことができます。
・ご飯の入ったお皿を置きっぱなしにしない
・おやつをあげすぎない
など、工夫をして愛犬愛猫の健康寿命を伸ばしましょう。

【本記事の参考書籍】

日本獣医内科学アカデミー編 : 獣医内科学 第2版, 文英堂出版, 2014, 363-365p

Stephen J. Ettinger ; Edward C. Feldman ; Etienne Cote : Textbook of veterinary internal medicine. 8th ed., ELSEVIER, 2017, 76-77p

 

【関連記事】

『副腎皮質機能亢進症』

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