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【犬アトピー性皮膚炎】~"すきま時間"の獣医学~

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【はじめに】

今回は『犬アトピー性皮膚炎』についてのお話です。犬アトピー性皮膚炎は若齢犬で発症し、検査と治療が長期化することが多い病気です。痒がる我が子を見る辛さ、食事のケア、医療費などなど飼い主さんにも負担が多い犬アトピー性皮膚炎ですが、一体全体どんな病気なのか、すきま時間でお伝えします。

 

【目次】

 

【犬アトピー性皮膚炎について】

『犬アトピー性皮膚炎の定義』

犬アトピー性皮膚炎はアレルギー性皮膚炎の一種とされていて、

『特徴的な臨床症状を示し、遺伝的な素因のある炎症性や掻痒性の皮膚疾患で、多くの場合は環境抗原に対するIgE抗体に関連する。』

と定義されています。

つまり、堅苦しい文言は置いといて
①特定の臨床症状
②炎症と痒み
③IgE抗体が関与
で「アトピーだよ」と言えるわけです。

 

『アトピーを疑う3つのポイント』

①いつから病変が見られた?
いつから病変が出たかという発症年齢はとても重要です。犬アトピー性皮膚炎のほとんどは1~3歳齢(約70%)から病変が現れます。高齢犬での発症も無くはないですが、基本は若齢犬で見られラル病気です。

②病変部位はどこ?
痒みや炎症が見られる場所にも特徴があり、他の病気と鑑別する際のヒントとなります。

病変が出やすいのは
・顔まわり
・耳
・首元や脇、内股、お腹
・四肢端、手首、足首

以上の部位で病変が多く認められます。逆に背部~腰部には病変が出にくいことがわかっており、背中に痒みや赤みが見られる場合は別の病気の可能性が考えられます。

アトピーの主な症状として
痒み、赤み、脱毛、唾液による変色、その他に色素沈着苔癬化などが見られます。

③ステロイドで治っちゃう?
ステロイドの主な作用として『免疫を抑える』という効果があります。アトピーは反応しなくても害のないアレルゲン(花粉やハウスダストなど)に対して免疫反応を強く示してしまうことで、炎症や痒みを起こします。

①と②の状況を踏まえて、ステロイドを使ってみて症状が大きく改善した場合はアトピーの可能性が強く疑われます。ステロイド投与の前にはきちんと『感染症の除外診断』は必要ですよ。

『アトピーの治療法』

①アレルゲンの排除
アトピーはアレルゲンに反応して起こっているので、部屋を掃除してダニ、カビ、花粉などを追い出しましょう。

②皮膚環境を整える
アトピーを発症していると痒いので、いっぱい掻きます。すると皮膚がボロボロになりアトピーを悪化させることになります。まずは痒みを抑え、皮膚を綺麗にし、保湿してあげましょう。

・痒み→痒み止めの使用
・皮膚バリア→シャンプー、保湿剤の使用

皮膚環境を整えないとアトピーの治りは遅くなります。


③免疫を抑える
アトピーの状態としては異常に反応しているだけなので、免疫を抑制する薬を使って免疫を抑えてあげることが大切です。ステロイド薬や免疫抑制剤、分子標的薬を積極的に使用していきます。

 

【最後に】

今回は『犬アトピー性皮膚炎』についてお話ししました。アトピーはきちんと診断し、相応の治療を行えばコントロールできる病気でもあります。一番大切なのは『アトピーを疑う3つのポイント』なので、そこをしっかりと抑えておきましょう。

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