オタ福の語り部屋

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うんちで分かるペットの健康状態

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『うんちでわかるペットの健康状態』アイキャッチ画像

【はじめに】

今回は『うんち』について説明します。ペットのうんちは飼い主にとって、見る機会が多く、一番手軽で手っ取り早く動物の健康状態を把握することができます。「下痢が続いている」、「血便がでた」、「何遍や下痢を繰り返す」など飼い主さんからの訴えが多いです。では、実際そういった症状がみられた時、体ではどんなことが起きているのでしょうか?うんちの状態からペットの体内でどんなことが起こっているのかを説明していこうと思います。 

「こんなうんちが出た!」→「この病気です」 といった病気の解説ではなく、『体で何が起こっているのか』といった体の状態の解説を中心に行ってます。他のブログでは内容な記事になっていると思います。もしペットの便が不調を示した際は、ぜひ照らし合わせてみて下さい。

 

【目次】

 

【形と固さで分かること】

形と固さはうんちに含まれる水の量で決まります。

『下痢』

下痢はご存知の通り、水分を多く含んだうんちです。そして、下痢は小腸性下痢と大腸性下痢に分類されます。

「小腸性下痢」

小腸は栄養吸収を行なっている領域です。小腸で何か異常が出た場合、一番に出てくる症状として『体重の減少』が挙げられます。小腸で栄養が吸収できないので、体重が減るというのがセオリーです。また、小腸で出血がある場合は出血した血が消化液によって変化し、黒っぽい色になってうんちとともに出てくるのが特徴的です。これらは血液中に含まれているヘモグロビンが消化液によって変性し、黒褐色を呈するようになるのです。

 

「大腸性下痢」

大腸は水分の吸収を行なっている領域です。大腸で何か異常が出た場合、一番に出てくる症状として『粘液便』が挙げられます。ゼリーみたいなうんちが出てくる時は大腸性下痢を疑うべきでしょう。小腸と異なり、栄養吸収に関係の薄い臓器なので体重の減少が見られません。また、大腸で出血があった場合は真っ赤な血が出てきます。パルボウイルス感染症では水っぽい大量の赤色便が出ます。

 

『未消化物がある』

消化や吸収がうまくできていない時はうんちの中に消化せずに出てきたフードが目立ちます。胃や小腸で消化吸収がうまくいってないと思われます。

 

『まとめ① 下痢と未消化物について』

下痢:小腸性と大腸性がある

未消化物:消化吸収がうまくいってない

 

【うんちのにおいで分かる体調】

うんちのにおいでもある程度、体の中で起きていることが分かります。

『酸っぱい臭い』

うんちが酸っぱい臭いがする場合、それは脂肪がうまく吸収できていないことが疑われます。脂肪吸収不良が起こる原因として一番に考えられるのが膵外分泌不全です。通常、膵臓から出るリパーゼという酵素は脂肪を分解し、吸収しやすい状態にしています。その膵臓から消化液が出なくなると様々な症状が出てくるのです。

 

「膵外分泌不全ってなに?」

膵外分泌不全とは膵臓から消化管に分泌される消化酵素の不足によって生じる栄養失調性の疾患のことです。慢性の膵炎から続発することもある。消化酵素が出ない病気なので、特徴的な症状としては『痩せてくる』、『下痢になる』この2つがメインです。食べているのに下痢になるので、うんちは大量にして、酸っぱい臭いがする場合は膵外分泌不全を疑ってみてはいかがでしょうか?。

 

『腐った臭い』

腐った臭いは主に腸内細菌の異常によって起こります。そのため腸炎などで腸内細菌が崩れている時に腐った臭いのうんちが出ます。

 

『まとめ② 酸臭便と腐敗臭便』

酸臭便:脂肪の吸収不全が原因。膵臓の調子がおかしい可能性大

腐敗臭便:腸内細菌の異常が原因。腸で炎症が起きている可能性大

 

【色で見分ける病魔の影】

『茶色便』

通常の健康なうんちは茶色をしています。あれは胆嚢から腸管へ出てくるビリルビンが腸内細菌によって、ウロビリン、そしてステルコビリンに還元されているためにああいった茶色になるのです。うんちが茶色ということは正常にビリルビンが排出され、腸内細菌も整っていることの証だと言えるでしょう。

 

『黒褐色便』

黒褐色便になるのは主に上部消化管で出血が見られる時です。なぜ上部消化管で出血があると黒色になるかというと、腸管の最初の方で出血した場合、その血液は消化液によって変性され黒っぽくなってしまうからです。

主な原因として鼻血の嚥下、重度の胃炎や腸炎、胃潰瘍、腫瘍、腸捻転などがあります。黒褐色便が見られた場合、早急を要する疾患が多いため、すぐに病院に連れて行くことをオススメします。

 

『赤色便』

大腸性下痢の項目でもお話ししましたが、真っ赤な血がうんちに混じっている場合は大腸などの肛門付近の出血が考えられます。ほとんどの場合がうんちの周りにこびりつくように血が付いているでしょう。少量であれば特に問題はないですが、ドロッと血液が付着している場合は注意が必要です。

 

『灰色〜黄白色便』

この色が出るのは脂肪の消化吸収が上手くいっていない時です。つまり、胆汁や膵液が出ていないということです。膵外分泌不全症や胆管閉塞による胆汁排泄障害が疑われます。膵外分泌不全については上記を参考にしてみて下さい。

「胆管閉塞ってなに?」

 胆石が胆管に詰まったり、胆管壁に炎症が起き、管が肥厚してしまった時に起こります。また、わかりやすい症状としては黄疸が見られることが特徴です。白目の部分や皮膚に黄疸が見られ、うんちが灰色になっている場合は胆管閉塞を強く疑うべきでしょう。

 

『黄色味の強い便』

うんちが茶色を呈するのは胆嚢から胆管を通して腸管へ排泄されたビリルビンが腸内細菌によって還元されるために起こるということは先ほど説明しました。重度の腸炎や腸内細菌が大きく崩れた場合にビリルビンの還元が上手くいかずに黄色味のうんちが出ます。

 

『緑色便』

緑色の便はほぼ胆汁の色と考えていいでしょう。そもそも胆汁というものは十二指腸にある十二指腸乳頭と呼ばれる場所から分泌されています。腸管は胃→十二指腸→空腸→回腸→盲腸→結腸→直腸の順にできています。十二指腸は腸管のだいぶ上の方に存在しています。そこで分泌された胆汁がうんちとなって出てくるということはかなり消化管の通過時間が短くなっている証拠である。何らかの疾患により、消化管の運動が亢進している場合はこのようなうんちが見られます。

 

『まとめ③ うんちの色でわかる疾患』

茶色便:胆汁の排泄、腸内細菌ともに正常で健康な便

黒褐色便:上部消化管での出血や鼻血の嚥下を疑う

赤色便:下部消化管の出血や肛門周囲の出血を疑う

灰色〜黄白便:脂肪の色が出ている。膵外分泌不全、胆管閉塞を疑う

黄色味の強い便:重度の腸炎や腸内細菌の崩れを疑う

緑色便:消化管の通過が早くなっていることを示している

 

【さいごに】

うんちは健康のバロメーターと言われているほどペットの健康を知る上で大切なものでです。また、うんちはトイレ掃除をする時に目に付きやすく、見つけやすいため早期発見が可能になります。わんちゃんやねこちゃんは自分でモノを言うことができないため、僕たち人間がしっかりと健康状態を斟酌してあげることがペットの健康維持につながるのです。

 

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