オタ福の語り部屋

獣医学を追求する。その先に見えるものは…

『犬の鼻腔内腫瘍』③放射線治療とその他の治療法

【はじめに】 これまで鼻腔内腫瘍①②と散々、鼻腔内腫瘍についてお話をしてきました。でも、気になるところは治療法と治療後の再発率やその他諸々ですね。今回は鼻腔内腫瘍の治療法について放射線治療を中心にお話していきたいと思います。 『犬の鼻腔内腫瘍①…

『犬の鼻腔内腫瘍』②どうすれば腫瘍か確認できる?~診断方法・ステージ分類~

【はじめに】 今回は鼻腔内腫瘍の診断方法について解説しています。診断方法は複数あります。「この病気は○○です」とはっきり言いきる確定診断を行うためには病理組織学的検査が必要です。 そして、次の注目ポイントとしてはCTを用いたADAMS分類。これはWHO…

『犬の鼻腔内腫瘍』①鼻血・鼻水に注意!~概要・症状~

【はじめに】 今回は再度、『犬の鼻腔内腫瘍』についての記事を書きます。以前、『犬の鼻腔内腫瘍』というテーマで書いた記事があります。あの記事を書いた時から3ヶ月ほど経ち、記事の書き方や文献の検索、資料の調達について学びました。今回のお話はさら…

自分の血液を自分で壊す⁈『IMHA(免疫介在性溶血性貧血)』の怖さとは?③~治療法・予後・猫の話~

【はじめに】 ついに完結、『IMHAの治療法、予後、猫のIMHA』についてです。IMHAは自分の免疫で自分の赤血球を壊してしまい、溶血→貧血という流れを作る病気なので、治療法としてはそれの免疫を抑えてしまえばいいのです。 考え方はシンプルですが、実際のコ…

自分の血液を自分で壊す⁈『IMHA(免疫介在性溶血性貧血)』の怖さとは?②~診断方法~

【はじめに】 今回は『IMHAの診断方法』について説明します。語り部屋で説明する『IMHAの診断方法』では教科書的な説明になっているので、若干実際の臨床現場との齟齬(そご)があるかもしれません。血液検査や特殊な検査の結果を用いて、複合的に診断してい…

自分の血液を自分で壊す⁈『IMHA(免疫介在性溶血性貧血)』の怖さとは?①~概要・臨床徴候~

【はじめに】 今回は『免疫介在性溶血性貧血(IMHA)』の概要と症状について解説します。免疫介在性溶血性貧血という言葉を聞いたことはありますでしょうか? 免疫介在性溶血性貧血は一般的にIMHAと呼ばれています。 IMHAとは免疫=Immune介在性=Mediated溶…

猫の致死的な感染症⁈『猫伝染性腹膜炎(FIP)』って何?③~治療法・予後・管理~

【はじめに】 ついにFIP最終編です。これまで、FIPの概要や症状、検査方法について詳しく解説してきました。詳しくはこちら↓ www.otahuku8.jp www.otahuku8.jp FIPは治せるのか、予防するためには何が必要なのか、そんな疑問にお答えします。今回は治療法、…

猫の致死的な感染症⁈『猫伝染性腹膜炎(FIP)』って何?②~診断方法~

【はじめに】 前回、FIPの概要と症状について説明しました。詳しくはこちらを参照にしてください。 www.otahuku8.jp 「検査方法なんて知る必要があるのか?」そんな風に考える方も多いと思われますが、知っておくことで正しい治療を受けているか判断する一つ…

猫の致死的な感染症⁈『猫伝染性腹膜炎(FIP)』って何?①~概要・症状~

【はじめに】 今回は『猫伝染性腹膜炎(FIP)』について解説したいと思います。猫を飼っている皆さんはFIPという病気を知っていますか?FIPとはあるウイルスに感染することで、発症します。ただし、そのウイルスに感染した子みんながみんなFIPを発症するわけ…

発見時には一大事⁈ 『血管肉腫』って何?③ ~治療法・予後~

【はじめに】 ついに『血管肉腫』最終章、治療法と予後についてです。血管肉腫①では『血管肉腫の正体』は何なのかについてお話をしてきました。そして、血管肉腫②では『血管肉腫による症状とその正体の暴き方』をお話ししてきました。 さて、今回の最終章で…

発見時には一大事⁈『血管肉腫』って何?② ~症状・検査法~

今回は血管肉腫の症状と検査方法について説明します。血管肉腫の症状は突発的に見られることが多いです。 その瞬間とは脾臓が破裂し、お腹の中に血が溜まった時に見られます。そうなる前に早めに異変に気づいてあげることが重要になってきます。 【関連記事…

発見時には一大事⁈『血管肉腫』って何?① ~概要・統計~

【はじめに】 今回は『血管肉腫』シリーズ、概要と統計編です。血管肉腫とはどのようなものなのか、好発部位、悪性良性どっちなのかなど、血管肉腫をざっくりと捉えるための内容になっています。 【関連記事はこちら】 発見時には一大事⁈『血管肉腫』って何…

「低タンパク血症、高タンパク血症」~血液検査を考える~

【はじめに】 今回は『血漿蛋白』について書いています。この「~血液検査を考える~」シリーズでは他のブログでは見られないような内容になっていると思います。みなさん、ペットの血液検査の結果を頂きますよね。 その結果ってどうしてますか?おそらく、「…

気をつけてあげて!『犬猫の口腔内腫瘍①』

今回は『口腔内腫瘍』について説明します。 口腔内にできる腫瘍は ・悪性黒色腫(Maligant melanoma) ・扁平上皮癌(squamous cell carcinoma:SCC) ・線維肉腫(Fibrosarcoma) ・エプーリス(Epulis) のこの4つがダントツに多いです!! これら4つを中心…

9割が悪性腫瘍です!『犬の甲状腺腫瘍』とは

今回は『犬の甲状腺腫瘍』について説明します。 【目次】 【はじめに】 【甲状腺とは】 『甲状腺ホルモンとは』 「甲状腺の司令塔」 「甲状腺ホルモンの作り方」 「甲状腺ホルモンの働き」 『カルシトニンとは』 「カルシトニンの働き」 「カルシトニン上昇…

『前立腺癌』 去勢してリスクが上がる⁈

【はじめに】 今回は『前立腺癌』について説明します。前立腺は聞いたことありますか?オスの膀胱直下にある器官ですね。この前立腺が腫瘍化する病気を『前立腺癌』と言います。前立腺癌は人間では男性ホルモンが関与していると言われていますが、なんと動物…

「貧血」~血液検査を考える~

血液検査の結果を元にどんな病気があるのかを考えるシリーズを作ってみようかと思いました。第一弾はCBC検査でわかる『貧血』についてです。 『血液検査を考えるシリーズ』は“病気”を解説してるわけではありません! どんな病気があるか、つまり貧血を起こす…

離乳後の吐き出しで疑う、『巨大食道症』とは

【はじめに】 今回は『巨大食道症』についてお話ししたいと思います。巨大食道症の英語名は『megaesophagus(メガ-エソフォアグァス)』といい、何となく『メガ』という響き気に入ったので、記事を書くことにしました笑 巨大食道症について、僕自身まだ見た…

血尿はないですか?犬の膀胱腫瘍で考えること

【はじめに】 今回は『犬の膀胱腫瘍』について説明します。 膀胱腫瘍はある大規模な調査で、犬の悪性腫瘍全体の2%ほどであると分かっています。2%とという数字だとなんだか少ない気がしますが…腫瘍患者100匹中の2匹で膀胱腫瘍が起きていると感じるとなんだか…

よくある悩み、ペットの嘔吐・吐出(吐き戻し)を考える

【はじめに】 今回は『嘔吐と吐出(吐き戻し)』について説明します。犬や猫は人間に比べて比較的よく吐きます。でも、あまりに何回も吐くようだと心配ですよね?ちょっと体重が減ってきたりしたらなおさら… でも、本当にそれって『吐いた』のでしょうか?「…

2種類ある、『犬猫のてんかん』について

【はじめに】 今回は『てんかん』について説明します。 『てんかん』というワードはおそらく聞いたことがあると思います。そうですね、赤ちゃんなどでよく耳にしますよね。 僕の知人は会社の上司が急に倒れこみ、てんかん発作を起こしたのを見たそうです。そ…

脳が壊死していく病気⁈『壊死性脳炎』とは

【はじめに】 今回は『壊死性脳炎』について説明します。 無菌性の脳炎には肉芽腫性髄膜脳炎や壊死性脳炎が二大脳炎であり、その他に好酸球性髄膜脳炎やグレイハウンドでみられる非化膿性髄膜脳炎などがあります。 それぞれ名前は似ていますが、臨床的な特徴…

自己免疫疾患なの?『犬猫の肉芽腫性髄膜脳炎(GME)』

今回は『肉芽腫性髄膜脳炎』について紹介します。 【目次】 【はじめに~肉芽腫性髄膜脳炎(GME)とは~】 【原因】 【臨床徴候】 動物種差 好発年齢 好発犬種 【症状】 【診断】 確定診断 予測的な診断(症状、CSF、画像診断) 【GMEの画像診断】 ←超大事! G…

潜在精巣は危険なの?『犬猫の精巣腫瘍』って?

今回は『精巣腫瘍』について説明します。 Follow @OtaHuku8 【目次】 【はじめに~精巣腫瘍は簡単に見つけられない~】 【精巣腫瘍の傾向】 『有名な精巣腫瘍』 『その他の精巣腫瘍』 【潜在精巣がリスクを上げる?】 『潜在精巣で見られる腫瘍の種類』 『潜在…

あれ⁇歩き方がおかしい?それ『犬猫の脳腫瘍』のサインかも⁈

【はじめに】 冒頭の画像にも示していますが、脳腫瘍はできる場所によって現れる症状が異なります。 ・歩き方がおかしい ・発作が出ている ・なんだか、ぼっとしているような… こういった症状が見られた場合、脳腫瘍の可能性も考えられます。脳腫瘍を正確に…

クッシングの反対⁇『犬猫のアジソン病(副腎皮質機能低下症)』とは

【はじめに】 今回は『アジソン病(副腎皮質機能低下症)』について説明します。アジソン病は犬でよく見られ、猫では非常に稀な内分泌疾患です。副腎ではグルココルチコイドやミネラルコルチコイド、性ホルモンといったホルモンを分泌する器官で、その分泌能…

『犬猫の悪性黒色腫(メラノーマ)』 ~ホクロかな?いいえ、それ悪性の腫瘍です~

【はじめに】 今回は『悪性黒色腫(メラノーマ)』について説明します。メラノーマは和名で「黒色腫」と言い、悪性のものを悪性黒色腫、あるいは悪性メラノーマと言います。悪性黒色腫は特に、口の中や唇、皮膚などで多くできる腫瘍で、大変悪性度の高い腫瘍…

意外と多い原因不明の厄介な病気、『炎症性腸疾患(IBD)』とは

【はじめに】 今回は『炎症性腸疾患』について説明します。 この疾患はtwitterで「解説してほしい」というリクエストを頂いた病気です。 明確な原因が分かっていないため、とてもポピュラーな疾患であるのにも関わらず、詳しく解説されていることは少ないで…

原因は細菌だった!『表在性膿皮症』とは

イラスト引用:Spencer A. Johnston ; Karen M. Tobias : veterinary surgery small animal. 2nd ed., ELSEVIER, 2017, 1398p, Figure 75.1 【はじめに】 今回は『表在性膿皮症』について説明します。 膿皮症には“表在性”と“深在性”の2つがあります。 表在…

犬の口臭で考えられること(歯周病メイン)

【はじめに】 今回は犬の口臭がする時に考えられる疾患について説明していこうと思います。強い口臭の裏には病気が隠れている場合があります。口臭の9割は口腔内疾患が原因と言われています。そして、中でも歯周病が原因であることがほとんどです。今回は歯…