オタ福の語り部屋

獣医学を追求する。その先に見えるものは…

オタ福、腫瘍性疾患を語る。

【多発性骨髄腫】①概要と病因について

【はじめに】 今回は『多発性骨髄腫の概要と病因』についてです。 多発性骨髄腫とは血液の細胞の1つが腫瘍化したもので、それだけあった全身で悪さをします。心臓や腎臓が悪いと思っていたら、実は多発性骨髄腫だったなんてこともゼロでありません。今回は…

【中皮腫】お腹の内側にばら撒かれる腫瘍について

【はじめに】 今回は『中皮腫』についてです。「中皮」って言葉、あまり聞いたことあるかた少ないかと思います。中皮とはお腹や胸の内側に張り付いているもので臓器との摩擦軽減の役目を担っている細胞です。今回はそんな中皮が腫瘍化した中皮細胞についてお…

【脂肪腫と脂肪肉腫】本当に良性の腫瘍なの?実は違うかも⁈

【はじめに】 今回は『脂肪腫と脂肪肉腫』についてです。脂肪腫は高齢の犬猫を飼われている方なら、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。脂肪腫とは脂肪組織で構成された良性腫瘍で、発生場所によっては様子見で過ごされる場合も多々あります。今回…

猫のリンパ腫⑤~治療法と予後~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫の治療法と予後』についてです。多中心型リンパ腫が多い犬と比べ、猫で組織型や発生部位もバラツキがあるので、ゴールドスタンダードなリンパ腫の治療法が今ひとつ確立していません。かつてFeLVが猛威を振るっていた時代に…

猫のリンパ腫④~診断とステージ分類~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫④~診断とステージ分類~』についてです。今回も前回と同様、検査方法についてざっと総論を述べた後に、発生部位別にどのような検査を行なっていくかを解説していきたいと思います。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリ…

猫のリンパ腫③~症状~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~症状~』についてです。猫のリンパ腫の症状は発生した場所、そしてその腫瘍の悪性度によって大きく異なります。今回はそれらを発生部位別に解説していこうと思います。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリンパ腫②~病…

猫のリンパ腫②~病因と挙動~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~病因と挙動~』についてです。病因と挙動なんて堅苦しい言葉を使わず、要は発生した場所ごとの腫瘍の"特徴"を解説しているんだと考えて頂ければ、大丈夫です。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリンパ腫②~病因と挙動~…

猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~統計とリスク因子~』についてです。犬のリンパ腫同様、猫のリンパ腫の発生は多いです。そのほとんどはリンパ芽球と呼ばれるリンパ球の前駆細胞由来細胞が腫瘍細胞の主体となります。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍③】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~治療法と猫のお話~

【はじめに】 今回は『下垂体腫瘍の治療法』についてです。下垂体由来の副腎皮質機能亢進症の治療法は外科手術や放射線治療、薬物療法があります。これらの治療法をどのように選択するかは患者の状態(神経症状や高血圧、感染症、血栓塞栓症など)や飼い主さ…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍②】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~診断方法~

【はじめに】 今回は『犬の下垂体腫瘍~診断方法~』について解説します。クッシング症候群を疑う症状を示している犬でその子がクッシング症候群なのか、そして下垂体由来なのか副腎由来なのかを調べる際、必要なことは実はCT検査やMRI検査ではないのです。で…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍①】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~概要と症状~

【はじめに】 今回は『犬の下垂体腫瘍』についてです。下垂体って何してる器官か知っていますか? 下垂体は大脳のすぐ下に位置し、複数のホルモンを産生しています。この下垂体が産生するホルモンの1つに副腎皮質刺激ホルモン(通称:ACTH)があります。犬…

腫瘍のせいで起こる『低血糖』とは~腫瘍随伴症候群を考える~

【はじめに】 今回は『低血糖』についてです。以前、血液検査を考えるシリーズで低血糖についてお話しました。低血糖が起こる原因として主に3つ。① 糖が作れなくなった② 血液中から糖が過剰に出て行った③ ①,②以外の原因と示しています。腫瘍が原因となる低血…

動物の腸管腫瘍について④~治療法と予後~

【はじめに】 今回は『動物の腸管腫瘍』最終回、治療法と予後についてです。腸管腫瘍は腫瘍の治療法のセオリー通りで・外科手術・化学療法・放射線治療の3つが主な治療法になります。これらの治療法はいかほどの治療成績を示すかなどを解説しています。 関…

動物の腸管腫瘍について③~症状と診断方法~

【はじめに】 今回は『動物の腸管腫瘍~症状と診断方法~』についてお話していこうと思います。腸管腫瘍が発生するとどのような症状を示すのでしょうか?実は腫瘍のできる場所によって症状が変わってくるのです。そして、腸管腫瘍の症状を元に来院された際、具…

動物の腸管腫瘍について②~病因と挙動~

【はじめに】 今回は前回に引き続き、『動物の腸管腫瘍』病因と挙動についてお話していこうと思います。腸管腫瘍の正体、いったい何が増えているのかを明らかにし、どのような増殖方式や転移を示すのかを解説していこうと思います。 関連記事動物の腸管腫瘍…

『ダリエ徴候とそのほかの症状』~腫瘍随伴症候群を考える~

【はじめに】 今回は腫瘍随伴症候群を考えるシリーズとして『ダリエ徴候』についてご説明します。ダリエ徴候が起こる腫瘍として『皮膚肥満細胞腫』が有名です。肥満細胞腫の腫瘍細胞内には多くの炎症性物質が含有されています。皮膚にできた肥満細胞腫を「な…

動物の腸管腫瘍について①~発生とリスク~

【はじめに】 今回は『動物の腸管腫瘍』発生とリスクとについてお話していきたいと思います。 どのような動物の腸で腫瘍は発生しやすいのかについて、腫瘍の種類、性別、品種別に展開していきます。 関連記事動物の腸管腫瘍について①~発生とリスク~ - オタ福…

骨の腫瘍『骨肉腫』を簡単に解説してみた!

【はじめに】 今回は『骨肉腫』と呼ばれる骨の腫瘍について簡単に解説していこうと思います。骨肉腫は中~大型犬に多い腫瘍で手足によく発生します。「最近、脚が浮腫んでいるな」「脚を痛がっているのかな」ちょっとした"異変"を感じれば、検査を行うことを…

『肛門周囲腫瘍』3つの腫瘍を簡単にご紹介!!

【はじめに】 今回は『肛門周囲腫瘍』の簡単解説編です。肛門周囲に発生する腫瘍で多いのは3つ!・肛門周囲腺腫・肛門周囲腺癌・肛門嚢アポクリン腺癌 これら3つの腫瘍について簡単に解説していきます。 【目次】 【肛門周囲腫瘍、3つの違い】 『由来細胞に…

犬猫の肝胆道系腫瘍③~治療法とその後~

【はじめに】 今回は『犬猫の肝胆管系腫瘍~治療法とその後~』についてです。 肝胆管系腫瘍として主に①肝細胞癌 ②胆管癌 ③カルチノイド ④肉腫4つの腫瘍があり、 形態学的な分類として①腫瘤型 ②結節型 ③びまん型の3つがあります。 これらの分類によって治療法…

犬猫の肝胆道系腫瘍②~症状と検査方法~

【はじめに】 今回は『肝臓、胆道の腫瘍 ~症状と検査方法~』について解説します。肝胆管系腫瘍には特徴的な症状がありません。全身状態の悪化や黄疸があれば、すぐに全身検査を行うべきです。 今回は肝胆管系腫瘍ではどのような症状が見られるのか、そしてど…

犬猫の肝胆道系腫瘍①~概要と挙動~

【はじめに】 今回は『犬猫の肝胆道系腫瘍』について解説します。肝胆道系?あまり聞き馴染みのない言葉だと思います。肝胆道系とは肝臓と胆嚢、胆管のことを言います。つまり、肝胆道系腫瘍を言い換えるのであれば、肝臓や胆嚢、胆管の腫瘍ということです。…

症状がほとんどない⁈『犬猫の肺がんの実態③』~治療法と予後~

【はじめに】 今回は『肺がんの治療法』についてです。肺で発生した腫瘍は手術を行うことが難しく、抗がん剤が中心の治療となります。今回は抗がん剤治療をはじめ、外科手術や分子標的薬、放射線治療などあらゆる治療法を書いています。 【肺がん記事はこち…

症状がほとんどない⁈『犬猫の肺がんの実態②』~診断方法~

【はじめに】 今回は『肺がんの診断方法』について解説します。いつも思うのですが、診断方法ってシリーズとしてはインパクトが無くて、地味なんですよね笑 でも、とても重要であるのは間違いありません。ここでミスれば、その先の治療もなんの意味も為さな…

症状がほとんどない⁈『犬猫の肺がんの実態①』~概要・症状~

イラスト引用:ホルスト・エーリッヒ クーニッヒ著:カラーアトラス 獣医解剖学(増補改訂版)【下巻】, チクサン出版, 2012, 452p 図8-26 【はじめに】 今回は『肺がん』について説明します。肺がんと聞くと「〇〇の転移」などとよく耳にしますよね。そうな…

地域猫では結構ある?猫白血病ウイルス(FeLV)感染症について③ ~診断・予防・管理・治療~

【はじめに】 今回は『FeLV感染症~診断・予防・管理・治療~』についてです。 FeLVの感染が成立するのは約70%と言われています。裏を返せば一旦ウイルスが体内に侵入したとしても30%はウイルスの感染が成立しないのです。実はFeLVはウイルスが入ることよりも…

地域猫では結構ある?猫白血病ウイルス(FeLV)感染症について② ~症状~

【はじめに】 前回の『①(概要)』でFeLVとはどのようなものなのかについてざっくりとお話ました。今回はFeLVの臨床症状について解説します。FeLVは骨髄抑制や腫瘍、免疫抑制を中心にその他多くの症状を引き起こします。具体的な症状とどのようなトラブルが…

『犬のリンパ腫④』~ステージ分類とは~

【はじめに】 今回は『犬のリンパ腫~ステージ分類~』について解説します。 「ステージ分類って何?、必要なの?」 そう思われる方もいらっしゃると思います。ステージ分類は必要です。ステージ分類はいわゆる病期分類。病気がどこまで進行しているのかを把握…

『犬のリンパ腫③』~診断方法~

【はじめに】 今回は『犬のリンパ腫』第3回、リンパ腫の診断方法です。リンパ腫は『血液の腫瘍』で、腫瘍とは『異形な細胞が無秩序にモノクローナル増殖していること』が定義です。 診断方法としては身体検査や血液検査、FNA、病理生検などがあります。今回…

地域猫では結構ある?猫白血病ウイルス(FeLV)感染症について① ~概要と感染経路~

【はじめに】 皆さんは『FeLV』というウイルスをご存知でしょうか?FeLVとはFeline Leukemia Virusの略称で直訳すると『猫白血病ウイルス』と言います。今回はこのFeLVに感染した際に起こる『猫白血病ウイルス感染症』についてお話ししていきたいと思います…