オタ福の語り部屋

獣医学を追求する。その先に見えるものは…

【肺水腫】①肺が溺れる怖い病気 ~概要と病態生理~

【はじめに】 今回は『肺水腫』について解説していきたいと思います。肺水腫とは肺胞に液体が溜まった呼吸がしにくくなる怖い病気です。通常肺水腫には心臓由来によるものとそうでないもので心原性肺水腫と非心原性肺水腫に大別されています。今回は心臓由来…

【コラム】猫で発症??『パンドラ症候群』とは?

【はじめに】 今回は初コラムとして『パンドラ症候群』についてお話しします。パンドラ症候群という病気を聞いたことがありますか?今、室内猫で頻発している膀胱炎です。 どんな病気なのか、なぜこんな名前がついたのかなど、簡単にお話ししていきたいと思…

【犬猫の重症筋無力症】最近すぐに疲れてないですか?

【はじめに】 今回は『重症筋無力症』についてです。重症筋無力症という病気をご存知ですか?この病気は神経から伝達された指令が筋肉でキャッチできなくなり、筋肉が動かせなくなっていく病気です。後天性のものと先天性のものがあります。 今回は重症筋無…

【胸腺腫】胸の中にできる腫瘍

【はじめに】 今回は『胸腺腫』についてです。 胸腺という器官は知っていますか?あまりメジャーではない器官なので聞いたことがない方もいらっしゃるかと思います。胸腺とは免疫細胞の一つであるT細胞性リンパ球を成熟させる器官です。今回は胸腺が腫瘍化し…

【腹部膨満】『お腹の膨らみ』で考えられる疾患

【はじめに】 今回は『腹部膨満』と題して、『お腹の膨らみ』についてお話しします。腹部膨満には臓器が腫れている場合や液体やガスが溜まっている場合、腹筋が弱ってきた場合など、様々な原因が考えられます。こうした腹部膨満の引き起こすきっかけとなって…

【猫の甲状腺機能亢進症③】治療法

【はじめに】 今回は『猫の甲状腺機能亢進症』の治療法について解説します。この病気を治療していく上で重要なのは『下げ過ぎず、上げ過ぎない』絶妙な値でホルモン値を維持する必要があります。さらに、併発疾患があった際の立ち回り方も非常に複雑になって…

【猫の甲状腺機能亢進症②】診断方法

【はじめに】 今回は『猫の甲状腺機能亢進症』の診断方法について解説します。甲状腺機能亢進症を診断していく上で、必要な検査と教科書に記載されている検査の両方を解説していきます。現場では実施されていないようなアカデミックな内容も一部記載していま…

【猫の甲状腺機能亢進症①】概要・臨床徴候

【はじめに】 今回は『猫の甲状腺機能亢進症』の概要と臨床徴候について解説します。猫の甲状腺機能亢進症は40年ほど前に初めて獣医学系の論文で執筆されて以来、高齢猫ではメジャーな内分泌疾患になっています。9歳以上の猫では2~4%の確率で、甲状腺機能亢…

【メレナと鮮血便】血便がある時に考えること

【はじめに】 今回は『メレナと鮮血便』について解説します。メレナという言葉を聞き慣れない方も多いと思います。後ほど詳しくお話ししますが、メレナと鮮血便は消化管(胃や腸)が出血することで見られる便の色調を意味しています。しかし、これら二つは本…

【犬の前立腺肥大(良性前立腺過形成)】5歳以上の犬では80%が発症⁈

【はじめに】 今回は『犬の前立腺肥大』についてです。前立腺肥大は人間でもよく聞く病気ですよね。この病気は『ホルモン』が大きく関わっています。男性ホルモンと女性ホルモンのバランスが崩れることが、肥大への契機となるとされています。今回はそんな前…

【インスリノーマ②】インスリンがめっちゃ出る腫瘍~診断・治療・予後~

【はじめに】 今回は『インスリノーマの診断と治療』について解説します。インスリノーマとはインスリンを分泌するβ細胞が腫瘍化したガンを言います。今回はインスリノーマをどのように診断していくのか、そして治療について詳しく解説し、治療を受けた後の…

【インスリノーマ①】インスリンがめっちゃ出る腫瘍~概要と症状~

【はじめに】 今回は『インスリノーマ』についてです。この腫瘍はインスリンを分泌する『β細胞』が腫瘍化したものです。そのため、インスリンが過剰に分泌され、様々な症状を引き起こします。今回は『~概要と症状~』編としてインスリノーマがどのようなもの…

『肝酵素②:ALPとγ-GGT』~血液検査を考える~

【はじめに】 今回は肝臓の逸脱酵素ALT、ASTに引き続き、同じように肝胆道系のマーカーである『ALPとγ-GGT』についてです。ALPとGGTは主に胆管系の障害を発見するマーカーとなっています。しかし、ステロイド薬などの投与によっても上昇が認められることがあ…

【末梢の浮腫】手足のむくみについて

【はじめに】 今回は『末梢の浮腫』についてです。四肢がむくんでいるとと感じた時どのような病気が起こっているのでしょうか?浮腫ができるメカニズムについて解説をした後、考えられる疾患や診断方法について解説していきたいと思います。 【目次】 【浮腫…

【横隔膜ヘルニア】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『横隔膜ヘルニア』についてです。横隔膜ヘルニアとは、胸腔と腹腔を隔てている横隔膜に穴が開き、横隔膜からお腹の臓器が胸腔側へ入り込んでしまう病気です。どのような病気なのか、簡単にご紹介します。 【目次】 【横隔膜ヘルニアにつ…

【副腎髄質腫瘍】犬猫のクロム親和性細胞腫(褐色細胞腫)

【はじめに】 今回は『クロム親和性細胞腫』について解説します。題名にもある通り、クロム親和性細胞腫は副腎髄質の腫瘍です。副腎は二層の領域に分かれており、表層が皮質と呼ばれる領域、深層が髄質と呼ばれる領域になっています。副腎腫瘍で有名なクッシ…

【下部尿路感染症(LUTI)②~診断方法・治療法~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『下部尿路感染症』の診断方法と治療法についてです。下部尿路感染症にはいきなり細菌感染が起こるものと、腫瘍や尿石症などの原因疾患があって起こるものがあります。今回は診断方法と治療法について紹介します。 【目次】 【診断方法に…

【原発性アルドステロン症(Conn症候群)】猫の副腎腫瘍と言えばコレ

【はじめに】 今回は『原発性アルドステロン症(Conn症候群)』についてです。この病気は猫の副腎腫瘍で認められる病気で、副腎で産生されるアルドステロンというホルモンが副腎腫瘍によって過剰に分泌されることで起こる疾患です。犬で似たような病気に『副…

【下部尿路感染症(LUTI)①~原因・症状~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『下部尿路感染症(LUTI)』についてです。よく聞く膀胱炎などがこの病気に含まれます。通常は病原体がいない尿路でどうして感染が起こるのかを中心に解説していきたいと思います。 【目次】 【下部尿路感染症について】 『下部尿路感染…

【体重増加・お腹の膨らみ】体重が増えた時、考えられる疾患

【はじめに】 今回は『体重増加で考えられる疾患』についてです。最近食べ過ぎなのか、お腹が膨らんで、体重も増えてきた気がする。それ本当にただの肥満でしょうか?お腹の膨らみは肥満以外にもみられる病気があります。今回は体重増加で考えられる疾患につ…

【先天性門脈体循環シャント③~治療法~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『先天性門脈体循環シャント』の治療法についてです。ついにPSS完結編です。PSSの治療法は肝性脳症を抑えるための内科的アプローチとシャント血管を閉じるための外科的アプローチの2つがあります。 【先天性門脈体循環シャント①~概要・病…

【副腎皮質腫瘍】その② ~外科的治療と内科的治療とおまけの話~

【はじめに】 今回は『副腎皮質腫瘍の治療法』についてです。副腎皮質機能亢進症の原因にもなる副腎皮質腫瘍ですが、治療法としては主に2つのアプローチの仕方があります。1つは副腎ごと取ってしまう『外科的な治療』。もう1つは過剰に分泌される糖質コルチ…

【先天性門脈体循環シャント②~症状・診断方法~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『先天性門脈体循環シャント』の症状と診断方法についてです。『概要と病因』については前回の記事をご参考ください。PSSが見られるとどのような症状が起こるのかそして、その症状を元にどのような検査を行い、診断するのかについて解説…

【副腎皮質腫瘍】その① ~挙動・症状・診断方法~

【はじめに】 今回は『副腎皮質腫瘍』の挙動、症状、診断方法についてです。副腎皮質は糖質グルココルチコイドとしてコルチゾールを分泌する部位で有名です。犬や猫の副腎皮質腫瘍として副腎腫瘍によるクッシング症候群のお話を中心に解説していきたいと思い…

【先天性門脈体循環シャント①~概要・病因~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『先天性門脈体循環シャント』の概要と病因についてです。この病気は肝臓を経由すべき血管が肝臓をすっ飛ばして別の血管と繋がってしまう病気です。門脈とは何者なのか、そして肝臓の大切さを知ってもらえる疾患です。 【先天性門脈体循…

【犬猫の誤嚥性肺炎】

【はじめに】 今回は『誤嚥性肺炎』についてです。誤嚥性肺炎とは食道ではなく気道に物が誤って入ってしまうことで起こる肺炎で、嘔吐や吐出を繰り返す疾患をもつペットではよく見られます。 犬猫で多い4つの肺炎【細菌性肺炎】【ウイルス性肺炎】【アレルギ…

【蛋白漏出性腸症(PLE)】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『蛋白漏出性腸症(PLE)』についてです。よく聞く蛋白漏出性腸症ですね。この病気を患っているワンちゃん、結構ツイッターなどでも見かけます。この病気を調べているとまだ解明されていない事があって、めちゃくちゃ奥が深いように感じ…

【アレルギー性肺炎(好酸球性気管支肺症)】

【はじめに】 今回は『アレルギー性肺炎(好酸球性気管支肺症)』についてです。アレルギー性肺炎と好酸球性気管支肺症は別物の病気ですが、明確な定義の区分がありません。 今回は定義の話をはじめ、アレルギー性肺炎はどのような動物で起こりやすいのか、…

【右動脈弓遺残】"すきま時間"の獣医学

【はじめに】 今回は『右動脈弓遺残』についてです。本来なくなるはずの血管が残ってしまい、食道を縛ってしまう病気です。ミルクから流動食に切り替えてから、急にご飯を吐き出すようになった場合、この病気の可能性があります。 【目次】 【右動脈弓遺残に…

【ウイルス性肺炎】二次感染にはご用心、ウイルス性肺炎のお話(+おまけでインフルエンザの話も)

【はじめに】 今回は犬猫でおこりやすい4つの肺炎の1つ『ウイルス性肺炎』について解説していきます。ウイルス性肺炎は細菌性肺炎と双璧をなす肺炎で、流行に乗って感染が拡がる感染性の疾患です。 犬猫で多い4つの肺炎【細菌性肺炎】【ウイルス性肺炎】【…