オタ福の語り部屋

獣医学を追求する。その先に見えるものは…

【猫の肝リピドーシス①~原因・症状・診断~】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『猫の肝リピドーシス』についてです。この病気は肝臓に脂肪が蓄積してしまう病気で、太った猫ちゃんを飼っている飼い主さんは必見の疾患です。 【目次】 【肝リピドーシスについて】 『概要』 『考えられる原因について』 「肥満」 「食…

【猫の新生子同種溶血】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『猫の新生子同種溶血』についてです。この病気は猫で多い病気で、母猫からもらう初乳を飲んだ新生子が重度の溶血を起こしてしまう病気です。 【目次】 【新生子同種溶血】 『犬の血液型について』 『猫の血液型について』 『新生子同種…

【多発性骨髄腫】①概要と病因について

【はじめに】 今回は『多発性骨髄腫の概要と病因』についてです。 多発性骨髄腫とは血液の細胞の1つが腫瘍化したもので、それだけあった全身で悪さをします。心臓や腎臓が悪いと思っていたら、実は多発性骨髄腫だったなんてこともゼロでありません。今回は…

【肥満・体重増加】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『肥満・体重増加』についてです。ご飯をついついあげ過ぎてしまい、わがままボディへと成長した愛犬・愛猫。今回は『肥満って何?』ということをテーマに肥満について解説していきます。 【目次】 【肥満について】 『概要』 『肥満にな…

【猫の特発性巨大結腸症】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『猫の特発性巨大結腸症』についてです。この病気では便秘が頻発します。「最近、この子トイレの時間が長いな」、「もう何日もウンチが出てないな」と感じた場合、もしかするとこの病気かもしれません。 【目次】 【猫の特発性巨大結腸症…

【中皮腫】お腹の内側にばら撒かれる腫瘍について

【はじめに】 今回は『中皮腫』についてです。「中皮」って言葉、あまり聞いたことあるかた少ないかと思います。中皮とはお腹や胸の内側に張り付いているもので臓器との摩擦軽減の役目を担っている細胞です。今回はそんな中皮が腫瘍化した中皮細胞についてお…

【膵外分泌不全(EPI)】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『膵外分泌不全(EPI)』についてです。 「うちの子最近、下痢が続いている」、「なんだか体重が減ってきた気がする」 そう感じる場合もしかするとこの病気かもしれません。膵外分泌不全は消化酵素が出なくなる病気で、体重減少や下痢が…

【急性膵炎の治療法】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『急性膵炎の治療法』についてです。急性膵炎は膵臓で強い炎症が起こっており、治療が遅れると命を落とすこともある大変危険な病気です。重症例では特に慎重な治療が必要となります。 【目次】 【急性膵炎って何?】 『急性膵炎とは』 『…

【脂肪腫と脂肪肉腫】本当に良性の腫瘍なの?実は違うかも⁈

【はじめに】 今回は『脂肪腫と脂肪肉腫』についてです。脂肪腫は高齢の犬猫を飼われている方なら、もしかしたら聞いたことがあるかもしれません。脂肪腫とは脂肪組織で構成された良性腫瘍で、発生場所によっては様子見で過ごされる場合も多々あります。今回…

【肝線維症・肝硬変】~すきま時間の獣医学~

【はじめに】 今回は『肝線維症・肝硬変』についてです。"沈黙の臓器"と呼ばれる肝臓ですが、肝臓にだって限界はきます。 「もう無理!」 肝臓が壊滅的状況に陥った肝硬変。どんな症状が出てくるのかを見ていきましょう。 【目次】 【肝線維症・肝硬変につい…

【犬アトピー性皮膚炎】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『犬アトピー性皮膚炎』についてのお話です。犬アトピー性皮膚炎は若齢犬で発症し、検査と治療が長期化することが多い病気です。痒がる我が子を見る辛さ、食事のケア、医療費などなど飼い主さんにも負担が多い犬アトピー性皮膚炎ですが、…

【全身性エリテマトーデス】②どう検査、治療する

【はじめに】 今回は前回に引き続き『全身性エリテマトーデス』に関してです。検査方法と治療法を中心に解説していきます。全身性エリテマトーデスは身体のあらゆるところで、炎症が起こってしまう非常に怖い自己免疫疾患です。正しく診断し、治療を行うには…

【胃拡張・胃捻転症候群】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『胃拡張・胃捻転症候群』についてです。この病気は大型犬での発生が多く、少し治療が遅れると命を落としかねない、とても緊急性が高い病気です。 【目次】 【胃拡張・胃捻転症候群】 『胃拡張・胃捻転症候群とは』 『どのような犬で発症…

【犬のレプトスピラ染症】犬だけじゃない、人にもかかる怖い細菌

【はじめに】 今回は『レプトスピラ症』についてです。レプトスピラ症は病原性レプトスピラによる感染症で、『げっ歯類-犬-人』で感染環が成り立っています。池や沼、水たまりなど、野ネズミが生息している場所ではレプトスピラの感染リスクがあります。今回…

【全身性エリテマトーデス】①その概要と症状とは

【はじめに】 今回は『全身性エリテマトーデス』について解説します。全身性エリテマトーデスは自分の免疫が悪さをすることで起こる自己免疫疾患です。その標的はある特定の臓器ではなく、全身の臓器(細胞)を標的とし得ます。それゆえ、全身で炎症が起こり…

【免疫抑制を目的とする薬】~"すきま時間"の獣医学~

【はじめに】 今回は『免疫抑制を目的に使用する薬』についてお話しします。今回紹介するような免疫力を敢えて抑える薬は自己免疫疾患など自分の免疫が悪さをすることで、自分の体が攻撃されてしまう病気で使用されます。 これらの薬にはどのようなものがあ…

『天疱瘡』ってなに?天疱瘡を種類別に解説!

【はじめに】 今回は『天疱瘡』についてです。天疱瘡とは自己免疫疾患の1つで、表皮の細胞がお互いをくっつけるための接着分子(マジックテープのようなもの)を攻撃し、皮膚がボロボロと剥がれ落ちてしまう病気です。 どの接着分子を攻撃するかによって病…

猫のリンパ腫⑤~治療法と予後~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫の治療法と予後』についてです。多中心型リンパ腫が多い犬と比べ、猫で組織型や発生部位もバラツキがあるので、ゴールドスタンダードなリンパ腫の治療法が今ひとつ確立していません。かつてFeLVが猛威を振るっていた時代に…

猫のリンパ腫④~診断とステージ分類~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫④~診断とステージ分類~』についてです。今回も前回と同様、検査方法についてざっと総論を述べた後に、発生部位別にどのような検査を行なっていくかを解説していきたいと思います。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリ…

猫のリンパ腫③~症状~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~症状~』についてです。猫のリンパ腫の症状は発生した場所、そしてその腫瘍の悪性度によって大きく異なります。今回はそれらを発生部位別に解説していこうと思います。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリンパ腫②~病…

猫のリンパ腫②~病因と挙動~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~病因と挙動~』についてです。病因と挙動なんて堅苦しい言葉を使わず、要は発生した場所ごとの腫瘍の"特徴"を解説しているんだと考えて頂ければ、大丈夫です。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫のリンパ腫②~病因と挙動~…

猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~

【はじめに】 今回は『猫のリンパ腫~統計とリスク因子~』についてです。犬のリンパ腫同様、猫のリンパ腫の発生は多いです。そのほとんどはリンパ芽球と呼ばれるリンパ球の前駆細胞由来細胞が腫瘍細胞の主体となります。 猫のリンパ腫①~統計とリスク因子~ 猫…

【熱中症】動物にもある、『ペットの熱中症』にご用心!!③治療法と予後

【はじめに】 今回は『ペットの熱中症の治療法』です。熱中症の治療の目的は高体温症に関連した症状を抑えることと、心臓や血管系のサポートをしてあげることです。循環血液量を回復させてあげ、腎臓などの臓器にきちんと血液を供給し、場合によっては抗菌剤…

【熱中症】動物にもある、『ペットの熱中症』にご用心!!②症状と検査

【はじめに】 今回は『熱中症の症状と検査』についてです。熱中症の原因である高体温症では熱、低酸素、血流量の低下、血栓症など、様々な方法で臓器を攻撃していきます。症状はその攻撃に伴って現れます。そして、検査項目も同様に攻撃を受けたことが数値化…

【熱中症】動物にもある、『ペットの熱中症』にご用心!!①概要

【はじめに】 今回は『ペットの熱中症』をテーマに解説していこうと思います。毎年気温が上がってくるこの時期になると、熱中症によって命を落としてしまう方が多数います。この熱中症って、実は動物でもよくあることなんです。 でも、僕ら獣医学科に通う獣…

『高血糖』~血液検査を考える~

【はじめに】 今回は前回の『低血糖の記事』に引く続き『高血糖』についてお話します。糖尿病やダイエット、筋トレをする人が多く、普段から血糖値を気にする人が多いのではないでしょうか?では一方で、動物ではどうでしょう?動物の高血糖で考えられる疾患…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍③】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~治療法と猫のお話~

【はじめに】 今回は『下垂体腫瘍の治療法』についてです。下垂体由来の副腎皮質機能亢進症の治療法は外科手術や放射線治療、薬物療法があります。これらの治療法をどのように選択するかは患者の状態(神経症状や高血圧、感染症、血栓塞栓症など)や飼い主さ…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍②】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~診断方法~

【はじめに】 今回は『犬の下垂体腫瘍~診断方法~』について解説します。クッシング症候群を疑う症状を示している犬でその子がクッシング症候群なのか、そして下垂体由来なのか副腎由来なのかを調べる際、必要なことは実はCT検査やMRI検査ではないのです。で…

【犬のACTH産生性下垂体腫瘍①】クッシング症候群の8~9割はコレ‼︎『犬の下垂体腫瘍』とは~概要と症状~

【はじめに】 今回は『犬の下垂体腫瘍』についてです。下垂体って何してる器官か知っていますか? 下垂体は大脳のすぐ下に位置し、複数のホルモンを産生しています。この下垂体が産生するホルモンの1つに副腎皮質刺激ホルモン(通称:ACTH)があります。犬…

腫瘍のせいで起こる『低血糖』とは~腫瘍随伴症候群を考える~

【はじめに】 今回は『低血糖』についてです。以前、血液検査を考えるシリーズで低血糖についてお話しました。低血糖が起こる原因として主に3つ。① 糖が作れなくなった② 血液中から糖が過剰に出て行った③ ①,②以外の原因と示しています。腫瘍が原因となる低血…